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  • 病気のこと
  • 2015.12.24

「とめない」

「断らない」と「とめない」の違いとは?

季節柄でしょうか?

今月は救急で受診される患者さんがとても多くなっています。

特に脳卒中で救急搬送される患者さんは、当院開設以来、過去最高のペースです。

 

病気になって救急車を呼ばなきゃいけないってことは、とても怖いことですよね。

そんな状況で救急車を受け入れてくれる病院がなかなか決まらないと、患者さんやご家族はますます不安になることと思います。

 

脳卒中には時間制限のある治療がいくつかあり、間違いなく最も急いで診療すべき疾患の1つです。

しかし、東京都の脳卒中救急搬送に要する時間が全国ワーストであることについて先日触れました。

 

23区内にはひしめき合うほどに大学病院や大病院があるにもかかわらずです。

 

これには主に3つの原因があると私は思います。

  1. 脳卒中診療を行える医師が不在
  2. 脳卒中診療を担当する医師が手術中などで忙しく対応できない
  3. より脳卒中らしい患者さんを受け入れるべく、いわゆる患者の選り好みをする

 

これらの理由で受け入れられないことは決して悪いことではありません。

1、2は人員的に仕方がないでしょうし、3も適材適所で診療をするためには仕方がない部分もあります。

 

でも私は脳神経内科開設時に心に決めたことがあります。

  • 「脳卒中救急」ではなく「神経救急」
  • 「断らない」ではなく「とめない」

 

患者さんやご家族はどんな病気になったかわかって救急車を呼んでいるわけではありませんよね。

また、救急隊の方々も少ない情報のなかで脳卒中なのかそうでないのか判断することは容易ではありません。

実際脳卒中が疑われて搬送された方のおよそ1/3は脳卒中以外の他の疾患です。

 

だからこそ先日お話した「神経救急」診療を得意とする脳神経内科医の出番なのです。

これが「脳卒中救急」を含めた「神経救急」を幅広く受け入れること、です。

 

当院では、日中は脳神経内科医が救急診療を担当し、夜間は脳外科と合わせて脳血管センターで当直をして、少ないメンバーながら脳卒中や神経救急を終日診療できるようにしています。

さらに、当直中の脳外科が手術に入ることとなった時には、脳神経内科医が当直を代行してでも神経救急をストップしないようにしています。

 

これが「とめない」診療、です。

診療の質ももちろん大事ですが、その前に門戸をできるだけ広くし、関所を作らず、24時間通過できるようにすること。

 

脳神経内科はこれを大事にしています。