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  • 2017.04.25

免疫チェックポイント阻害薬適正使用セミナー

「神経免疫」と「神経救急」の新たな絆

慶應義塾大学医学部 神経内科 鈴木 重明先生のご講演を拝聴し

私や栗城が、がん研の脳神経内科外来をさせて頂いている関係から、今回閉会挨拶をさせて頂きましたが、本来がんの領域は、我々にとってかなり「畑違い」の分野です。

 

そもそも神経内科医は、腫瘍医学との関わりが薄く、腫瘍に伴う脳血管障害や、傍腫瘍症候群のような免疫を介した脳神経障害を診療する程度です。

 

癌自体の治療や、治療による副作用にもほとんど関わることがありませんでした。

 

しかし、免疫チェックポイント阻害薬の登場によって、そんなことは言っていられない時代の到来です。

 

鈴木先生は、脳神経の専門でない方々にも大変わかりやすく、神経免疫疾患の世界をご説明し、そして免疫チェックポイント阻害薬による脳神経系の免疫関連副作用(immune-related Adverse Event:irAE)について、まだまだ世界的にも症例報告が少ないなか、その特徴を的確に教えてくださいました。

 

なかでも重要なのは、

・急激に命に係わる状態に陥ることがあること

・通常の神経免疫疾患とは異なる点(特徴)も多いこと

でした。

 

実は我々もすでにirAEの患者さんを経験しており、先生のお話しを実感しています。

 

神経内科のなかでも、鈴木先生ご専門の「神経免疫」と、我々の「神経救急」は、さほど近い関係にあるわけではありません。

 

神経免疫疾患は、commonではない疾患が多いため、自然と専門の施設、先生に患者さんは集まります。

専門家、専門施設を受診する、時間的な猶予もありました。

 

ただirAEによる神経障害は、突然の意識障害、けいれん、呼吸障害、循環障害といった、一刻を争う救急疾患として捉えるべき状態であることも少なくないそうです。

 

 

つまりirAEは、神経免疫疾患を診る機会の多くない、我々「神経救急」医が、十分に知っておくべき、そして的確な救急治療とともに、「神経免疫」の専門家と情報を共有しながら、その後の治療を模索していかねばならない、文字通り「あらたな敵」と言えます。

 

これまでのような関係では戦えません。

 

「神経免疫」「神経救急」そして「腫瘍医学」が手を取り合って立ち向かう「敵」だと強く感じました。

 

そんな話を鈴木先生と懇親会でじっくりとすることができました。

 

診療面での連携とともに

 

「irAEの重要性を、お互い異なった立場から、神経領域に周知していきましょう。」

 

と新たな絆ができました。

 

副作用という、企業にとって複雑なテーマに真摯に向き合い、取り上げてくださる、小野薬品工業、ブリストル・マイヤーズの姿勢に敬意を表し、我々も注視して向き合ってまいります。